ロバート・レッドフォード監督作「ランナウェイ/逃亡者」("The Company You Keep" : 2012)[BD]

30年前の殺人容疑で指名手配されている極左テロ組織の元メンバーが、FBIと新聞記者の追跡を逃れ、潔白を証明すべく奔走する様を描くポリティカル・スリラー作品。

 

1960年代、ミシガン大学の反体制学生同盟SDSが分裂すると、一部の過激派分子が集まり、極左テロ組織「ウェザーマン」が結成された。70年代に入り、活動を本格化したウェザーマンは、ベトナム戦争への不満を爆発させ、各地の政府関連施設及び公共施設に対する爆破テロを繰り返した。ベトナム戦争への抗議と称された、ミシガン銀行強奪事件では守衛1名が射殺され、現在も尚、容疑者ニック・スローン、ミミ・ルーリー、シャロン・ソラーズの3名がFBIに指名手配されている。

逮捕を免れ、夫と二人の子供と共に主婦として暮らしていたシャロンは、事件から30年を経て、自首を決意する。ところが、シャロンはミシガン州からニューヨーク州入りした直後に、FBIに逮捕される。地元新聞社オールバニ・サンタイムズの記者ベンは、編集長レイから、FBIがどうやってシャロンを発見したのかを調べる様に命じられる。

オールバニで弁護士を営むジムは、年の離れた妻を一年前の交通事故で亡くし、11歳の娘イザベルと二人で暮らしている。ある朝、ジムがかつて弁護を手がけた、農家を営むクシマーノがやってきて、シャロンが自首すると伝えてきた直後にFBIに逮捕された事を明かすと、シャロンを弁護する様に請う。ジムは妻を亡くしたばかりで無理だと説き、知己の有能な弁護士を紹介する。

ベンはFBIのオールバニ支局に勤務する元恋人の職員ダイアナを訪ね、シャロンへのインタビューを要請する。ダイアナはそれに難色を示すも、FBIがクシマーノとシャロンの通話を盗聴した事を仄めかす。ベンは農場にクシマーノを訪ねると、盗聴の件を明かし、シャロンとの関係を尋ね、弁護を断ったというジムについて知る。ベンはジムについて調べると、電話でシャロン逮捕の件について尋ねるが、ジムは回答を拒む。

翌日、ベンはジムの事務所に押しかける。ジムは自分がシャロンを匿った様な記事を書いた事についてベンを非難すると、シャロンとは一切関係が無いと主張する。ベンはジムが人権問題を専門に扱う弁護士でありながら、シャロンを弁護しない理由を問い質す。ジムは一人で娘を育てており、時間が無いからだと答える。その後、ベンはジムの経歴と素性を調べ上げ、戸籍上ではジムが1979年以前に存在していない事が判明し、ニック本人だと確信する。一方、ジムはニューヨークに暮らす弟ダニエルに密かに連絡を取った後、夜中にイザベルを旅行と偽って連れ出す。

翌朝、ニックが弁護士を装ってオールバニに潜伏していた事を暴いたベンの記事が、メディアで大々的に報じられる。FBIはジムの捜索と共にダニエルの監視を始める。ジムはイザベルを連れて、偽装IDでニューヨーク内のホテルに宿泊する。ジムはイザベルを寝かせた後、ロビーのソファにダニエルへの紙袋を忍ばせる。ホテルに駆け付けたダニエルは、時間差でそれを回収すると、イザベルの部屋へ向かう。程なく、FBIの捜査員がホテルに到着すると、ジムは火災警報器を鳴らして、捜査員を撹乱し、逃走を図る。ダニエルはイザベルを部屋から連れ出すと、捜査員にジムから受け取った書類を提示し、保護者だと明かす。ジムは地下鉄に駆け込み、FBIの追跡から逃れる。

捜査を指揮する特別捜査官コーネリアスは、既の所でジムを捕らえ損ない苛立つ。そんな折、シャロンがベンに話をさせる様に要求し、コーネリアスはそれを認める。ベンはFBI支局へ赴き、シャロンへのインタビューを行う。シャロンはベンの記事に対して礼を述べると、クシマーノが友人であり、自首する事で心が落ち着くならそうすればいいと励ましてくれた事を明かす。30年を経て自首に思い至った理由として、シャロンは息子と娘が大きくなり、事情が理解できるまで待ちたかったのだと説く。シャロンは30年が苦悩に満ちた年月だった事を明かす一方で、政府による大量虐殺を黙って見ている事ができず、義憤に駆られて参加した反戦活動が正しかったという認識を示す。ベンは暴力以外にも手段があるはずだと説き、また同じ事をするのか問う。シャロンは、愛すべき家族がいなければ、抜け目なく、効果的な別の方法で必ず同じ事をすると主張すると、ベンが真実に興味を持つ相手だと思い、話す相手に選んだ事を明かす。ベンはニックの目的について尋ねるが、シャロンはそれを自分で考える様に促し、長い年月、誰一人裏切らなかったメンバーの関係性を説くと、かつてのニックとミミは互いに急進的で、愛し合っていた事を明かす。

インタビューが打ち切られると、ベンはシャロン達の動機は評価すべきだとコーネリアスに主張する。コーネリアスは殺された守衛に子供が二人いた事を明かすと、シャロン達に同情せぬ様に戒める。更に、コーネリアスはベンがシャロンが被害者の様な記事を書き、結果として共犯を捕らえ損なった事について非難し、同時にダイアナをも咎める。一方その頃、ジムは列車でウィスコンシン州ミルウォーキーに到達する。

ベンはダニエルにアポを取り、自宅を訪ねると、ジムに協力する理由を尋ねる。ダニエルはジム達の主義に反対していながらも、イザベルの為に協力しているのだと説く。ベンはジムが名前を変え、姿を消す事ができるにも関わらず、イザベルを連れていかなった事を訝り、この状況が一時的であり、ジムが戻ってくるという見立てを示すも、ジムの真意を図りかねる。

ジムは元メンバーで、材木製造所を営むドナルを訪ねる。ドナルは今でも元メンバー達と連絡を取り合っている事を明かすが、ミミの居場所は関知していない事を明かす。ドナルは事件後、シャロンと結婚して性を変えさせた後、離婚し、シャロンの逃亡に一役買った事を認めるが、中心メンバーからは既に離脱しており、事件とは無関係だと主張する。ドナルはミミが主婦に収まる様な女では無く、運動に身を捧げる自由の戦士だと説く。ドナルはジムに寝泊まりする家を貸し与える。一方、ミミはカリフォルニア州ビッグサーで投資業を営むマックの家を拠点に潜伏し、大麻の密輸を行っている。ミミは報道でシャロンの逮捕と、ニックが弁護士としてオールバニに潜伏していた事を知り、シャロンの意図に思いを巡らす。

ベンの自宅がFBIに家宅捜索され、ベンは調査への妨害だと憤る。レイは社の業績が厳しい事から、ベンをミシガンへは行かせられないと説くと、上層部へ配慮し、FBIを怒らせぬ様に釘を刺す。ベンはジムが危険を冒してまでニューヨークまで行き、娘を置いていった理由があるはずだと主張するが、レイはジムが無実ならなぜシャロンが潔白を主張しないのかと反論する。ベンは痺れを切らし、レイに無断でミシガンへ向かう。

夜、ドナルは足の付かない車をジムに用意すると、かつてミミが来た時に元メンバーのジェドとの間を繋いだ事を明かし、ジェドを探す様に促す。

ベンはデトロイトで調査を敢行し、事件当時、捜査を担当した元署長オズボーンへの接触を試みる。程なく、ドナルがジムの逃走幇助でFBIに逮捕される。それを知ったミミは、陸路で逃走を図る決意をマックに伝える。

ベンは地元のヨットクラブにオズボーンを訪ねる。ベンは当時の捜査への関与の度合いや、ミミやジムとの面識についてオズボーンに尋ねると、実行犯の一人で、匿名の通報により逮捕されたダレッサンドロが、他の3人に不利な証言をした後、獄中死し、殺害や自殺を疑われている事について指摘し、ベンが潔白を証明しようとしているという見立てを示す。オズボーンはミミやジムとの面識を否定し、事件の逃亡用の車がジムのものであり、多数の指紋が見つかった他、現場にいたという証言がある事を明かす。

ジムはダニエルへの電話を介して、イザベルにすぐに迎えに戻ると伝えると、事件への関与を否定し、逃げている理由が今に分かるようになると説く。FBIはその通話を探知する事で、ジムの発信元を特定するが、ジムは携帯を走行中のトラックの上に捨て、捜査の撹乱を図る。一方、ベンはバーでオズボーンの養女レベッカと遭遇すると、コーヒーを飲む約束を強引に取り付ける。

ジムはシカゴの大学で教鞭を執る教授ジェドの元を訪ねる。ジェドは著名人である事から生活に支障を来す事を恐れ、露骨に関与を拒むが、ジムは娘の為にミミを探している事を明かし、協力を請う。ミミはアイオワ州コーラルヴィルに到着する。一方、ベンは調査の過程でミミとオズボーンが幼馴染だと知る。

ベンは約束通り、レベッカと落ち合うと、オズボーン家とルーリー家の関係について尋ねる。レベッカはミミの父親とオズボーンの父親が釣り仲間で、よくアッパー半島の森へ行った事を明かす。ベンはオズボーンがミミと面識が無いと言った事を明かすと、オズボーンが過去を隠すために嘘を付いていると指摘する。レベッカは父が事件に関与しているかの様なベンの言い分に憤慨する。

当時からジムに反目していたジェドは、暴力を否定し、平和運動を志向していた自分達まで危険に晒した事を愚かな行為だと非難すると、ジムに自首して罪を償うように促す。ジムはジェドから得た情報を介して、マックと連絡を取り、ミミが陸路で北へ向かった事を知ると、ミミの目的地を悟る。ベンはルーリー家が営むリンダ&ルーリー木材会社の不動産記録について調べ、会社がカナダに程近い島に広大な私有地を持っている事を突き止めると、オズボーンにアポを取る。

ジムはミミに先んじて森の中の湖に面した小屋へ到着する。翌日、ミミが小屋へ到着し、二人は再会を果たす。ミミは助けられない事を伝えに来た事を明かす。ジムは11歳の娘がおり、ミミのミドルネームからイザベルと名付けた事を明かすと、このままでは一生、娘が立ち直れない為に、自首して自分の潔白を証明する様に請う。ミミはジムが主義を捨て去ったと詰り、疲れたからといって闘いは終わってはいないのだと説く。ジムは疲れたわけでは無く、成長したのだと反論し、市民の命が失われるのを忌避し、グループから抜けたのだと主張する。

ベンは再びオズボーンと会い、ルーリー家と親しかった事について問い質す。また、ベンはミミが自ら投獄を選択してまでジムの潔白を証明する事を疑うと共に、ジムが今になって潔白を証明しようとしている理由を図りかねる。ベンはオズボーンがミミを隠避していると疑い、事実を暴く決意を示す。オズボーンは事実が明らかになった場合、それが正しくとも、罪なき人々が傷つく事になると説くと、レベッカもその一人だと指摘する。オズボーンはレベッカに真実を伝える事を決意し、ベンはアッパー半島へ向かう。

ミミはジムと考え方の違いで衝突し、闘いはまだ終わっておらず、世界の状況が悪化していると主張する。ミミはジムが金持ち共の体制側に取り込まれ、信念を失ったと詰ると、自分が投降するのは政治家や起業家が過去の罪を認めた時だけだと強弁する。ジムはミミが別人に扮し、世界を欺こうとも、自分は騙されないと主張すると、二人の間に大義より大切な子供がいたはずだと諭し、互いに主義に縛られすぎて親としての義務を捨てた事が間違っていたのだと説く。ミミは大義が夢では無く実現可能だったと説き、ジムは変える力さえあれば変革はできると応える。

翌朝、ミミはアナーバーに寄って成長した子供を見てきた事を明かすと、とても美しい娘だったと伝える。一方、オズボーンはレベッカに実の親に関する真実を明かすと、FBIに同行し、ヘリでアッパー半島へ向かう。

ミミはジムに期待に添えないと伝え、ジムはミミを翻意させる事を断念する。小屋の近くにベンがやってくると、ミミはジムと別れ、逃げ出す。ベンは記事にする確証をジムに求めるが、ジムはミミと会った事を否定する。FBIのヘリが飛来すると、ベンは無実のジムを投獄させたくないと告げるが、ジムはミミが自首に応じないと説く。ベンはレベッカに会った事を明かす。ジムはそれを記事にすれば、望まない反応があり、秘密を暴いたつもりが自分に返ってくると説き、その覚悟をベンに問う。ジムは自分を30年間支えた動機を知ったベンに、自らも支える動機を見つける様に促し、FBIからの逃走を始める。その間にミミはボートで海上へ脱出する。程なく、ジムはコーネリアスらに追い詰められ、逮捕された後、ヘリで護送される。ミミは翻意し、ヨットの針路を変える。

ベンはジムとミミの娘が元署長オズボーンの養女になった件について暴露する記事を書き上げるも、レイに送信すべきか逡巡する。その時、ベンはミミの自首を報じるニュースを見る。ミミは自分の行動が守衛の死に繋がったと自供し、ジムへの告発は取り下げられる。ベンは記事を公にする事を止める。程なく、ジムは釈放され、イザベルと再会する。

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